自社仏閣を訪れ、手水舎で清め、参道を踏みしめ心穏やかに参拝する。御朱印集めは忙しい毎日を送る人々の心身を癒す、そんなひと時を求めて始められた方も多いかもしれません。また同じように「写経」も、心を落ち着かせるとともに、集中力と五感を研ぎ澄ます効果があるとされています。
御朱印を集められている方なら、より写経への興味関心も高いかもしれませんね。本来は御朱印帳は「納経帳」と呼ばれ、かつては寺院へ参拝の際にお経をしたため納める、すなわち納経した証として「御朱印」がいただけたわけです。そのために「納経帳」が存在しました。
では書き写すことの繋がりとして「写仏」はご存知でしょうか?読んで字のごとく「仏様を書き写す」ことですが、少し踏み込んで、写経と写仏の意味や目的にも触れながらお話を進めていこうと思います。
まず一般的に、現代の日本において写経と言えば、『般若心経』の書写を指します。集中力の向上や学書のため、または心を落ち着かせリラックスするために行われている場合も少なくないと思います。本来の目的としては信仰や供養のためであり、印刷技術が確立されていない時代においての仏法を広めるための手段であり、または修行・講義・研究するための手段として必要とされていたようです。また写経することに功徳があることが説かれるようになり、祈願成就など個人的な信仰のために行われたり、末法思想が流行すると写経した経典を経筒に納めて埋納する経塚造営が行われたりもしたようです。
それに対し写仏とは、難しい経典がわからない、文字の読解が困難な人々に対して、より理解できるように絵で描き表わしたものが仏画であり、その仏画を描き写すこ行いが「写仏」だと言われています。写経と同様に本来の目的の他に、現在では自らの心身を整え向上することで、幸せに日々を暮らせることの糧として行われることも少なくないようです。
と言うことで、、、人一倍に日々の幸せを追求する私としましては、これらの行を行わない理由が見当たりませんので、早速に「写仏」にチャレンジしてみました。本当は実際に寺院へ赴いて、写仏体験したかったのですが、善は急げとまずは書店で購入した写仏本で行いました。ページをめくるとまるでホリーホックの御朱印帳の種類のように ^^;)、たくさんのありがたき御仏が描かれており迷った中からまずは直感で選ぶことにしたのが「白不動明王立像」( 神童寺 京都 )でした。
嘘をつくとバチが当たりますので、正直に選んだ理由を申し上げますと。。。少したるんだ腹回りのポッチャリ体型&「愛嬌あるお顔」に惹かれて選びました(同じバチでも嘘の理由を言った方が罪が軽かったかもしれませんが)
冗談はさておき、初心者入門編レベルだったのですが繊細なタッチで描かれた線を結ぶ作業は集中力を必要として、完成して気づけば30分ほど、吸い込まれように時が経っていました。時に呼吸を止めては細い線を慎重に、そして深く深呼吸をしては次の線へとつなぐ作業は、頭の中がスッキリと、雑念が消える効果がありそうです。幸福を掴むため、これからも功徳を積んでいこうと思います!
今回は「写仏」がテーマということで、相応しいご朱印帳のご紹介で締めくくりたいと思います。
神仏画家の 藤澤松蹊先生の 書下ろしご朱印帳をご覧下さいませ。
▼ちなみにこちらが私が心を込めて書き写した「「白不動明王立像」です^^;)