よくあるご質問シリーズ お寺と神社のご朱印は、1冊のご朱印帳に混ざってもいいんですか?

ホリーホックではご朱印帳に関して、様々なご質問をいただきます。その中でも比較的多いのが「一冊のご朱印帳でお寺と神社の御朱印を、一緒に収集しても大丈夫でしょうか?」というご質問です。

答えは「イエス」です。お寺と神社の御朱印が一冊のご朱印帳の中に混ざっていても、お作法的には問題ありません。ただ収集される方の個人的なこだわりとして、分けられる方も少なくはありません。御朱印の見映えのこだわりとしては、大判の御朱印帳はお寺用、通常サイズは神社用と分けられるのが一般的です。

その理由としては、それぞれの御朱印の特徴が挙げられます。お寺でいただく御朱印は「御宝印」や「三宝印」とともにダイナミックな筆使いで全体的にボリュームがあり、大きな用紙の方が映えるため大判サイズ向けとなります。一方で、神社でいただく御朱印は「社紋印」と奉拝年月日がメインとなり比較的シンプルにまとまっているため、通常サイズの御朱印帳でも十分収まるサイズになっています。

ご朱印をいただくうえでは、お寺と神社を分けることに、さほど厳格な理由はありません。そもそもお寺と神社が意図的に区別されたのは、明治元年(1868年)に発令された「神仏分離」からとなります。

この発令は明治政府が意図する政策に色濃く関係しており、天皇中心の中央集権国家をつくるためとされています。神道による国民教化をはかり、神道を保護することで「王政復古」「祭政一致」の理想実現を叶えようとしたのでした。

ですから明治以前は「仏教」と「神道」は、ともに現世で生きる人間の苦しみや悲しみなどから解放して、幸せを導き出す教えのもとに融合した存在であると解釈されていました。この在り方は「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」と呼ばれます。

仏教が伝来した飛鳥時代より、「在来の神」が新来の仏を「自分たちとおなじ働きのもの」として扱い、そして仏教の方も「護国、守護」の呪術的なものだとして「神道と同じ土俵」であると融合する形で、その存在を認められ受け入れられてきました。

また神仏分離令が発令された当初には、「仏教排斥」と呼ばれる予期せぬ事態を招き入れた歴史があります。これは意図したものではなかったのようですが、結果として全国各地で廃仏毀釈運動がおこり、各地の寺院や仏具の破壊行為が行われました。歴史的・文化的に価値のある多くの文物がこの時期に失われたとされています。

以上から本来の姿としては「仏教」と「神道」、「お寺」と「神社」を隔てることなく、御朱印も一緒にいただくことに抵抗を感じることはなくても良いと思います。これはあくまで私個人としての考えであり、解釈のもととご理解いただければ幸いです。


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