年の瀬せまる12月22日、今日は冬至ですね。冬至と言えば「かぼちゃ」を食べたり、お風呂に「ゆず」を入れる慣わし等は一般的ですよね。あと一年を通して太陽が出ている時間が一番短い日という事もみなさんご存知かと思います。ただ私の住んでいる三重県伊勢市ではローカル限定でもう一つ有名な冬至の事柄があるんです。
それは伊勢神宮内宮の入り口にあたる宇治橋の奥から昇る朝日がちょうど大鳥居のど真ん中を通る、年に1度の限られた日なんです。私も1度だけ宇治橋の大鳥居の真ん中を昇る冬至の朝日を拝んだ事があります。海や山などで拝む朝日とはまた違った神々しさは、見慣れたはずの太陽がとても特別な存在として心に焼き付けられます。太古の昔に人間が太陽を信仰の対象としたことになんの疑問も浮かばないような、思わず手を合わせてしまうような感覚を覚えています。
そんな経験をしたのは数年程前の冬の事です。思い立って早起きしたその日は、伊勢神宮に早朝参拝に訪れたのですが、実は「冬至」だという事に全く気付いておりませんでした。
平日で冷え込みも厳しく、比較的伊勢神宮が空いている12月ということもあり、ほぼ貸し切り状態だろうなと思っておりました。ところがまず異変に気付いたのは駐車場です。いつもなら最寄の駐車場に悠々と停めれるはずなのに、見渡す限りの車・車・車!なんとか空きを見つけて駐車するも「今日は1日でもないし、平日だし、なんでこんなに混雑してるんやろ?」と頭の中の疑問符が止まりませんでした。毎月1日は「朔日参り」と称して早朝参拝が行われ、内宮参道のおかげ横丁やおはらい町の通りは早朝参拝のお客様を迎え入れるための「朝粥」や、赤福さんなどで有名な限定メニュー「朔日餅」などが用意されるため平日早朝でも混雑することがあるのです。でも今日はただの平日で間違いないはずなのに、、、そうして歩いて行くうちに宇治橋の手前へと差し掛かった時ようやく気づいたのでした。
大鳥居の周りを取り囲む人・人・人。何百人もの参拝客が今や遅しと冬至の朝日を待ち望んでいたのです。テレビ局のカメラマンや新聞社などの報道カメラマン達も紛れてカメラを向け固唾をのんで待ち構えています。その異様な迫力にたじろいながらも宇治橋に向かって歩き始めました。実は私はこの後仕事があるためここで待っていると遅刻してしまうのです。こんなに緊張して橋を渡ったのは生まれて初めてです。橋を渡り始めると後方からの異様な視線とカメラのシャッター音が聞こえてくるんです。右手に持った御朱印帳を落としそうになりながらも、その瞬間気分はレッドカーペットを歩くハリウッドスターのような高揚感と、申し訳ない気持ち(普通に参拝しても問題はないのですがなんだか後ろめたさが^^;)がMIXされた今まで感じたことのない心持を味わいつつ、一足一足歩みを進めて行ったのでした。
という事で今回は冬至の話、冬真っ盛りの季節にちなんだデザインの御朱印帳をご紹介したいと思います。どうぞご覧下さいませ♪